金融のいろは Vol.1 〜直接金融・間接金融とは？〜

大学や社会人向け講義などで「金融学」と言われれば最初に登場するであろう概念が、この直接金融・間接金融でしょう。これらは一体どういう概念なのでしょうか？

一言で言えば、

直接金融とは、リスクを直接張る金融、
間接金融とは、リスクを間接的に張る金融です。

（"金融"とは、簡単に言えば「お金の配分の仕方」です。詳しくはこちらをご覧ください。また"リスク"についての考え方も同じ記事でまとめてありますのでご参照ください。）

以下で、詳しく見ていきましょう。

間接金融とは？

間接金融の方が理解をしやすいので、こちらから説明します。

間接金融の代表例が「銀行預金」です。

みなさんは銀行に預金をしていると思います。

また、銀行からお金を借りている人もいると思います。そして、多くの企業は銀行からお金を借りています。

実は、銀行の主な業務は、みなさんから預かったお金を、お金を借りたい人や企業に利息を付けて貸していることなのです（この利息こそが、銀行の収益です）。

このように、銀行を間に挟んで、「お金を預ける人」と「お金を借りる人・企業」が結びついていることを、間接金融と呼びます。

つまり、みなさんの預金を銀行が誰かに貸しているわけですが、お金が返ってこないリスクは直接的には銀行が背負ってますので、みなさんはお金が返ってこないリスクを、銀行を介して間接的に背負っている状態、これが間接金融の本質です。

直接金融とは？

次に、直接金融について説明していきます。

みなさんに馴染みのある直接金融を扱っている会社は証券会社です。

証券会社の主な業務の一つは、株式・債券を仲介販売することです。

株式・債券とは、企業や国などの公共団体が、まとまったお金を調達したい時に発行するもので、これらを投資家（みなさんが株や債券を購入したら、投資家になります）に販売し、お金を集めるものです。

　＊株式や債券について詳しく知りたい方は、こちらを参照してください。

証券会社はこの株式・債券などを"仲介"販売します。この仲介を強調したのは、あくまで株式・債券を売っているのは資金調達をしたい企業や公共団体であり、証券会社は投資家との仲立ちをしているに過ぎないと言うことです。

つまり、投資家は直接的に企業や公共団体から株式や債券を購入しているため、企業や公共団体が倒産したりしてお金を返せなくなるリスクというのは、投資家が直接背負っているということになります。これが直接金融の本質です。

まとめ

最初に述べたように、直接金融と間接金融の違いは、みなさん（または投資家）がリスクを間接的に張るか、直接的に張るかという違いということです。

この直接金融・間接金融を必ずしも理解していなくても、金融の勉強をしたり、ニュースを見たりすることはできますが、これを理解するとスムーズに勉強できるようになるので、是非理解をして見てください。

特に金融業界への就職・転職を考えている人は、ここを理解していないと面接等で突っ込まれるケースもあるようなので、理解しておくことをオススメします。

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